飲酒が血圧に与える影響

 

まず、飲酒が血圧に与える影響についてですが、実はこれは結論から言うと「飲酒は必ずしも悪ではなく、使いようによっては善にもなる」のです。

 

どういうことかというと、「少々の飲酒程度ならむしろ体にいいが、飲みすぎはいけない」ということです。

 

「酒は百薬の長」という言葉があるように、少量のアルコールは血行を促進したり、善玉コレステロールを増加させるなど、体に程よい硬化を与えてくれる効果があります。
さらに、かつてイギリスで「適度のアルコール摂取は狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の発生リスクを抑える」という研究結果が発表されたこともあるなど、医学的な「適量飲酒による健康効果」の裏づけもあります。

 

ちなみに適量とは、日本酒なら1合、ビールなら中ビン1本または中ジョッキ1杯、ワインならグラス2杯、焼酎なら1合の半分、ブランデーやウイスキーならダブル1杯、というところです。

 

この程度の飲酒であれば、アルコールが高血圧を招くリスクは非常に少ないどころか健康に有益な効果を得られることも期待できます。
ただし、おつまみ等でカロリーや塩分を取り過ぎないようにすること、たとえ適量飲酒の習慣であっても、週に1〜2日は休肝日を作ること、などといった点に注意することが必要です。

 

そして、適量を超える飲酒については、ハッキリと「害になる」と言い切ることができます。
飲酒をすると一時的に血管が広がるのでその時は血圧が下がるのですが、アルコール摂取が過剰だと、その後に血管の収縮作用が強くなり、血圧が一気に上昇することとなります。
おつまみ等の量も多くなるので、カロリーや塩分摂取の点でもリスクが自然と上がってしまいます。

 

具体的に言えば、先ほど挙げた適量の3倍以上の量を飲む人だと、その半数以上が将来的には高血圧となる、と考えられています。
「過ぎたるはなお、及ばざるがごとし」というわけですね。

 

喫煙が血圧に与える影響

 

さて、高血圧になるリスク要因として、飲酒の場合「適量であれば気にしなくてOK、むしろおすすめ」という結論となるのですが、喫煙はどうなのでしょうか。
「喫煙もちょっとくらいなら問題ないのでは」と思われるかもしれませんが、そうではありません。

 

たとえ一本であっても、喫煙は高血圧リスクを上昇させる「害」にしかならないのです。
その証拠に、医師が高血圧患者に生活習慣改善の指導をする際、飲酒に関しては「禁酒」ではなく「節酒」を指導することが多いのですが、喫煙に関してはほとんどの場合「禁煙」を命じます。
「節煙」の指導で済むケースというのは、「タバコへの依存が強すぎて、どうしてもいきなりの禁煙はできなさそう」など、本来は禁煙すべきであってもそれが現実的ではない、という時くらいですね。

 

タバコを吸うと血圧が上がる主原因は、ニコチンです。
ニコチンが血圧上昇のホルモンを刺激するため、高血圧になってしまうというわけです。ちなみにタバコ1本で、血圧上昇は約15分持続します。
ですからヘビースモーカーや、ましてやチェーンスモーカーとなると、「血圧が下がる暇がない」という状態になるわけですね。

 

さらに、ニコチンは血管を傷つけたり、血栓を作る物質を増加させたりと、動脈硬化を促進するためのさまざまな「悪さ」をしてしまいます。
血圧が上がるだけでも動脈硬化のリスクが高まるのに、その上さらにニコチンで動脈効果を後押しするようなことまでしてしまう、これがタバコの怖ろしい点なのです。

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